ど田舎のたこ焼き屋とtwitter

ど田舎のたこ焼き屋とtwitter
電子書籍を出してみました。
僕がたこ阪と言うお店に足を運んだのはついこの間のことだ。
大通り沿いの小さな小さな店で、僕は正直1回店の前を通り過ぎてしまった。
本当に地元の人しか入らないような小さな店なのだが、店に入って「おーいらっしゃい!なんにします?」と声をかけられれば、すっかり気分は常連客。
たこ阪はそんな居心地のよさがある不思議な店だ。
店内にたくさん張られた写真を見ればわかるとおり、たこ阪には毎日様々な年齢・職業の人が訪れる。
その多くの人たちが、「またたこ阪に来たい!」と思うのは、たこ焼きの美味しさはもとより、店主おたこはん氏の人物的な魅力が際立っているからだろう。


おたこはん氏の魅力とは一体どんなものか?
先日、うちの会社にツイッタラーさんが遊びに来たときに、たこ阪の話になった。
「たこ阪ってハブなんですよね」と彼。
なるほど、確かにたこ阪と言う店はハブ的な役割を果たしているのかもしれない。


人は様々なベクトルを持っているものだ。
多くの飲食店では、店主が持っているベクトルがお店の客層に大きな影響を与える。
お店のベクトルと違う客は、お店に違和感を感じ、結果店主のベクトルに似た人が自然と集まってくるようになっている。
これは別に悪いことではなく、ごく自然なことだと思う。
しかし、たこ阪ではチョッと違うのだ。
おたこはん氏は他人のベクトルを、逸らすでもなく、ぶつかるでもなく、静かに方向を合わせてくれる。
自然、お店には多くの様々なベクトルを持った人が訪れる。
様々なベクトルが集まれば、普段自分がまったく接したことが無い人たちと出会うことになる。
小さなたこ焼き屋が地域のネットワークのハブとして働くのは、こういったおたこはん氏の人柄からくるものだと思う。


僕がおたこはん氏に始めて会ったのがツイッターである。
最初はたこ焼き屋さんが宣伝でツイッターしているのかー、程度に思っていたのだが、だんだん「このたこ焼き屋さん面白い!」と思い、積極的に絡むようになってしまった。
後々知ることになるが、おたこはん氏はものすごく本の虫で、相当な量の本を読んでいるから、話題が豊富。
そして好奇心に満ち溢れているから、どんな話にでも食いついてくる。
会話をしていて面白くないわけが無い。
もうそうなると、チョッと遠い川内だけれども、この人のいるたこ焼き屋に行ってみたくてたまらない。
リアルなおたこはん氏の生の声を聞いてみたい。
結果冒頭のとおり、実家に帰省をするという言い訳の元に休みを取り、わざわざ遠回りして川内にたこ焼きを食べに行った次第である。まさに思う壺。


そんなおたこはん氏が電子書籍を書いた。
上記のとおり、地域に、ツイッター上に、見事たこ阪というブランドを定着させたおたこはん氏。
この電子書籍は11ページとコンパクトながら、ツイッターでどうお店を盛り上げるべきか?というヒントがぎっしりと詰まっている。
それはたとえばプロフィールで自分をどう良く見せるか?といった類の、陳腐なノウハウ本ではない。
実際におたこはん氏が行ってきた事、今行っていること、これからしようと思っている事が、淡々と綴ってあるだけに”活きたツイッター活用本”と言ってよいだろう。
そしておたこはん氏の心地よい文脈と、ちょっと少な目のボリュームは、「もっとおたこはん氏の話を聞いてみたい!」という気にさせてくれる。
そしてそんな読者の為に、「ブログで感想を書いてくれたらたこ焼き無料!」というサービスをつける心憎さ。
僕らは小粋なジョークに騙された人のように、照れ笑いしながらたこ阪に集まることになるだろう。 −了−


追伸。
ここまでたこ焼きの味について一切触れていないが、たこ阪のたこ焼きはむちゃくちゃ旨い。
上記で「たこ焼きはまあまあだけど店主がいい人だから」と誤読する人もいるかもしれないが、僕は鹿児島一旨いたこ焼きだと思う。
もっと川内クラスタはたこ阪の美味しさについてツイッターやustでも言及すべきである。